仏典曰く 旗なびかず風なし 揺らぐは…

弥勒菩薩

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意味

弥勒菩薩は仏教ヒエラルキーの菩薩部に属する仏尊。

  • 音写:妹怛隷耶、梅怛魔耶、弥帝礼(マイトレーヤ/Maitreyaから)
  • 訳語:慈氏菩薩
  • 密号:迅疾金剛
  • 三昧耶形:率都婆(蓮華上に塔)・蓮華上賢瓶・瓶中率都婆
ホットケーキ
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中宮寺にある半跏思惟像にうっとり(*^^*)

キャリア

ナム
ナム

もうすぐ如来!\(^o^)/

現在

顕教経典の説では、兜率天にて菩薩として衆生を教化中。

役割・御利益

釈迦が入滅して56億7000万年が経ってから、弥勒菩薩がこの世に出現。

龍華樹の下で成仏して三会に説法します。

弥勒菩薩がこの世に下り、龍華樹の下で悟りを開いて、人々を救済するために説法する3回の法座を龍華三会(龍華会・弥勒三会)といいます。

そして、釈迦の救済から漏れたすべての衆生を済度してくれます。

いまは菩薩ですが、済度によって仏格を得たら如来になります。

そのため未来仏・当来仏・弥勒如来ともいわれます。

アドレス

展開

中インド波羅奈国(現ワーラーナシ)の人。

もともと釈迦の弟子で実在の人物でした。

釈迦が未来仏について説いたとき、弥勤菩薩が志願して釈迦が授記しました。

弥勒信仰

弥勒信仰はインド・中国で盛んで、日本でも仏教伝来の初期から信仰されました。

とくに法相宗では、インドの初祖「弥勒菩薩」が同名のため、同宗の法隆寺や興福寺などの寺院で盛行しました。

ナム
ナム

「瑜伽師地論」100巻の著者でもあります。

阿弥陀信仰に先行

弥勒信仰は阿弥陀信仰に先行しました。

  • 584年…百済から献上された弥勒菩薩像を蘇我馬子が石川宅に安置
  • 603年…秦川勝が聖徳太子から弥勒像を拝受して蜂岡寺(広隆寺)を創建
  • 638年…法起寺金堂に弥勒像を安置
  • 666年…年紀の野中寺銅造半跏思惟像が現存
  • 7世紀後半…当麻寺金堂本尊(塑造)
  • 8世紀初頭…「弥勒信仰から兜率天宮の四十九院を現世に」と願い、行基が畿内に49の寺院を建立
  • 711年…法隆寺五重塔内塑造の弥勒浄土
  • 721年…興福寺北円堂に弥勒浄土と弥勒像を安置(現在は運慶作)

平安時代中期

流れとしては末法思想による浄土教に押されながら、弥勒信仰は下火に。

1007年、藤原道長が金峰山に埋経してから、鎌倉時代初期にいたるまで埋経が流行しました。

鎌倉時代

新興仏教の興起に刺激され、奈良仏教も活発な活動を再開。

この影響から、弥勒信仰が一部で復活しました。

  • 称名寺金堂壁画(神奈川県横浜市金沢区)
  • 弥勒来迎図(東京芸術大学本)
  • 延命寺兜率天曼荼羅(大阪府河内長野市)

平安時代初期の密教輸入により、両界曼荼羅の重要なメンバ ーとしても登場しました。

形姿

卒塔婆が冠中か持物にあるのが特徴です。

胎蔵界曼荼羅中台八葉院東北隅では菩薩形で宝冠をいただき、右手は瓶のある蓮華を持って、左手は施無畏印を結んでいます。

二臂像:胎蔵界曼荼羅から

身体が肉色で、蓮華座に坐ります。

冠中に率覩波があります。

左手は施無畏印を結んで、右手の蓮華上に賢瓶を置いています。

二臂像:慈氏念法から

五智宝冠を着け、宝蓮華座に半跏趺坐しています。

左手の紅蓮華に法界塔印があります。

三十臂

三十臂像は異説が多いです。

最勝大三昧耶像や慈生三昧耶像では、身体は金色で、五智宝冠を頂き慈悲相。

左手

  • 蓮華上法界塔
  • 蓮上七宝金輪
  • 蓮上金剛羂索
  • 蓮上宝金剛
  • 蓮上如来亳相
  • 蓮上如来眼
  • 蓮上如来臍
  • 蓮上如意摩尼如意宝剣
  • 蓮上宝師子
  • 五鈷金剛
  • 宝幢幡
  • 数珠
  • 如来耳根
  • 如来口

右手

金剛拳で頭指を伸ばして右頬を指示。

  • 蓮上宮殿
  • 蓮上羯磨金剛
  • 蓮上法金剛
  • 蓮上如来眉形
  • 蓮上如来鼻
  • 蓮上如来舌根
  • 蓮上仏心印
  • 蓮上如来馬陰蔵
  • 三鈷金剛杵
  • 金剛鉤
  • 如意棒
  • 如意宝鏡
  • 金剛杵鐸

文化財

木造弥勒菩薩立像

真言宗宝珠院へ仏寺めぐり(大阪市北区):所蔵物5点が大阪市指定文化財になっています。このうち、木造弥勒菩薩立像は美術工芸品〔彫刻〕ジャンルの有形文化財です。

弥勒経(弥勒六部経)

弥勒菩薩が兜率天から下降して衆生を救済すると説く経典。

空海による弥勒浄土信仰の典拠となりました。

次の6 種があります(弥勒六部経)。

弥勒三部経

  1. 観弥勒菩薩上生兜率天:劉宋・渠京声訳
  2. 弥勒下生経:竺法護訳
  3. 弥勒大成仏経:鳩摩羅什訳

ほか

  1.  弥勒下生成仏経:鳩摩羅什訳
  2. 弥勒下生成仏経:義浄訳
  3. 弥勒来時経:失訳(東晋)

弥勒菩薩曼荼羅

慈氏念誦法2巻(善無畏訳)・画像品。

金剛杵と五輪塔の文様を用い、内院の大円輪を井字形に区画しています。

月輪中、中央に弥勒菩薩、四方に四波羅蜜菩薩が住します。四隅の半円には外四供菩薩。

外院は方形で、内院円輪の下部左(向かって右)では、三角形内に不動明王、反対側の半月形内に降三世明王、上部に天蓋、左右に飛天の各3位が雲に乗っています。

醍醐寺光台院に鎌倉時代の「絹本著色弥勒曼荼羅図」あり。

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