形姿
半跏思惟像は仏像のなかで珍しい倚像の一つ。
左脚を台座から垂下し、右足を左膝の上に置き(半跏して)、右手の指を軽く頬に当てて(思惟して)います。
なお、地蔵菩薩や虚空蔵菩薩など、一脚を垂下し、反対の脚を乗せない姿勢があります。
これらは単に半跏像といいます。
キャリア
誕生と展開
インドでは休息の坐法です。
中国の北魏時代(386〜534)に交脚像とともに半跏思惟像が誕生。
中国・敦煌壁画の仏伝中に、悉多太子が愛馬カンタと別れる姿が半跏思惟像です。
日本は飛鳥時代ころに中国から輸入。
如意輪観音か弥勒菩薩か
平安時代に密教が流行したとき、如意輪観音の右第一手が思惟相でした。
坐法も輪王坐で片膝を立てるのに似ているため、長らく如意輪観音と考えられてきました。
近年、儀軌以前の作品では、弥勒菩薩の可能性が高いと考えられています。
日本では奈良時代以前の作品がこれに当たります。
なお、各寺院では仏像や寺伝などに依拠して、見解が分かれています(文化財の項目に後述)。
アルカイック・スマイル
近年、半跏思惟像で注目される着眼点が表情です。
うっすらと微笑む表情はアルカイック・スマイルといいます。
ユーラシア大陸のあちこちで確認される展開のルーツは
- インド→中国→朝鮮・日本
- インド→中央アジア→ヨーロッパ
の2種あり。
- 中宮寺 菩薩半跏像(NHKアーカイブス):穏やかな微笑みをたたえる飛鳥仏
- シルクロード・美の回廊II “微笑み”がきた道(NHKオンデマンド):奈良県中宮寺から河西回廊へ半跏思惟像とアルカイックスマイルを探索
- 国宝 菩薩半跏像(伝如意輪観音):聖徳宗中宮寺の公式サイト
文化財
中国の南北朝時代の遺品があります。
日本では飛鳥時代・奈良時代に流行。
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