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文殊菩薩

仏様リスト
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意味

「三人寄れば文殊の智恵」。

文殊菩薩は仏教で有名な仏様で、菩薩にランクイン。

正式名称は「文殊師利菩薩もんじゅしりぼさつ」。

大乗仏教の悟りの智恵を象徴する菩薩と考えられてきました。

有名すぎて信頼されすぎて、別名がたくさんあります(^^)

  • 訳名…妙徳菩薩、妙吉祥菩薩
  • 異名…妙音菩薩、文殊師利、法王子、文殊童真、孺童文殊菩薩
  • 同体…金剛菩薩、無尽意菩薩(智積菩薩)
  • 密号…吉祥金剛、般若金剛、辨法金剛、大慧金剛
  • 三形…青蓮華上金剛杵・青蓮華・利剣・梵筐
  • 真言…おんあらはしゃのう
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形姿

文殊菩薩。土佐秀信画『仏像図彙』三、1900年、5丁。

持物

右手に剣、左手は灼篋を乗せた蓮華を持ち、獅子に乗っている像が多いです。

文殊菩薩の所持する蓮華は、ニーロートパラ(青蓮華)といい、牛糞から生じる香気ある蓮華。

胎蔵界曼荼羅中台八葉院では童子形で五髻を頂き、左手には五鈷杵を立てた蓮華を捧げて、右手に梵篋を持っています。

ヘアスタイル

真言の文字数から、一字、五字、六字、八字文珠の別があります(五字五髻文殊)。

頂髻(頭の髪)を一髻、五髻、六髻、八髻と、子供の髪形のように結んでいる像や、胎蔵界曼荼羅の像などがあります。

キャリア

プロフィール

大乗仏教の代表的な菩薩。

顕教の諸経によると、仏滅後のインド出身。

大乗経典とくに般若部の諸経には、実在の人物として登場。

対告衆となって仏弟子らと問答し、弥勒菩薩とともに、阿難をして仏典を結集しました。

アドレス

華厳経に、文殊のアドレスが東北方の清涼山とあり。

中国山西省五台山が古くから文殊の聖地として信仰を集めました。

これを受けて、周辺の諸国の間にも信仰され、日本では天台僧円仁が巡拝し、文殊信仰を輸入。

「般若経」は南方で興隆し、善財童子に南方遊行を薦めるなど、文殊菩薩は南方との関係が深いです。

役職

菩提の母

文殊菩薩は、般若つまり智慧を本誓とするので、文殊三昧においては無相の妙慧を発しようとします。

この役割のため、《菩提の母》《諸仏・諸菩薩の母》とも考えられてきました。

文殊八字法

密教で行なう文殊八字法では、文殊菩薩を本尊として八字から成る真言を唱えて息災を願います(後述)。

単独像

獅子に乗る単独像としても信仰されてきました。

僧形文殊

天台宗の各寺院では僧形文殊を安置して、日常戒律の師表と仰いできました。

日本三文殊

日本三文殊とは、以下3寺院の文殊菩薩をいいます。

  1. 安倍文殊院(奈良県桜井市阿部)…華厳宗東大寺の別格本山。本尊の文殊菩薩は快慶作の国宝。
  2. 天橋山智恩寺(京都府宮津市字文珠)…臨済宗妙心寺派。本尊の文殊菩薩は文殊堂に安置。宮津市指定文化財、雪舟筆の国宝『天橋立図』にも登場。
  3. 金戒光明寺(京都市左京区黒谷町)…浄土宗。運慶作の文殊菩薩(渡海文殊形式)は京都市指定文化財。

他にも文殊を冠する寺院があります。

地名

天橋山智恩寺のように文殊を地名に含む場所は他にもあります。

  • 文殊山(福井県福井市・鯖江市)
  • 文殊山(大分県国東市)
  • 文殊岳(山口県山口市)

など。

文化財

不二の法門

論客維摩居士の病床を智慧第一の文殊菩薩が釈迦の名代として見舞い、不二の法門を論題として展開。

この論戦は敦煌壁画に描かれ、日本でも711年に法隆寺五重塔内に製作されました。

延暦寺の五台山文殊

860年、延暦寺に文殊楼を建立し、五尊形式の五台山文殊(渡海文殊)を安置。

西大寺蔵や安倍文殊院蔵の渡海文殊群像の形式が、この系統です。

文殊像の広がり

天台寺院では、食堂の本尊に僧形の文殊菩薩像を安置して、日常戒律の師表と仰いできました。

ナム
ナム

僧堂や食堂に安置する声聞形(僧形)の文殊菩薩を僧形文殊といいます。

鎌倉時代になると、律を復興した叡尊や忍性らが、貧者のために宿を設けて各地に文殊像を安置。

文殊法(文殊八字法)

文殊法(文殊八字法)は文殊菩薩を本尊として供養する修法

その真言によって一字・五字・六字・八字の文殊があり、単に文珠といえば五字文殊をさします。

種子

種子は法界の頭文字「ダ」(dha)に空点を加えた「ダン」(dham)。大空の 智慧・法界に遍満した意味です。

結界の次にある道場観では、このダン字が変じて智剣となり、智剣が変じて文殊菩薩となります。

尊形

尊形は、金色頂に五髻を頂き、右手に智剣、左手に青蓮華、花の上に梵篋があります。

智剣は能取所取の障礙を断つ智慧の利剣。五髻は五智を表現。

真言

真言は「おん どっきゃ せいだ たん」。

文殊菩薩曼荼羅

八字文殊曼荼羅

「八字文殊鎮宅法」には、直径18cmの円板(月輪)、中央にmam(文珠の種子)、周囲に八字真言を書いて、行法の間、壇上に安置し、結願後は寝殿か梁の上に立ててます。

「八字文殊法息災法」には、方天変を攘い悪夢を除くために、形二重式の内院を大小の同心円で区切って、中心の月輪中に師子騎乗の八字文殊、周辺には同じく騎乗の八大童子を中尊に向って安置しています。

また、四隅に四念怒明王、外院に外四供養菩薩・四摂菩薩の8菩薩と外護十六大天(八方天と各后)を配しています。

五字文殊曼荼羅

金剛頂文殊師利法(不空訳)に、智慧を求める五字文殊法の本尊とあります。

二重方形式で 内院に大きく月輪を描いて、中尊五字文珠と周辺に、五字陀羅尼を記述しています。

四隅に内四供養菩薩、外院に外四供養菩薩・四摂菩薩を配置。

文殊菩薩ギャラリー

宮川長春「美人文殊普賢図」18世紀。向かって左が普賢菩薩、向かって右が文殊菩薩。藤田美術館所蔵(大阪市都島区)。

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