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千手観音

仏様リスト
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意味

千手観音せんじゅかんのんは、たくさんの腕(臂)がある観音菩薩の一様。

全ての掌に眼が一つずつあります。

変化観音の1つで、正式名称は千手観世音菩薩。

別名に、千手聖観音、千臂観世音、千光眼、蓮華王(大悲観世音)など。

異名に、千手千眼観自在菩薩、大悲金剛。

  • 「千」…無量円満
  • 「手」…衆生救済にさし伸べる慈悲
  • 「眼」…化導の智
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キャリア

十一面観音と同じく、変化観音のうち早期から登場。

日本では密教輸入以前、つまり奈良時代から既に名作を遺しています。

夫婦和合を祈願する千手観音敬愛法は小野派の秘事。

形姿

二十七面四十二臂像(胎蔵現図曼荼羅)

27面の数の由来は複数パタンあり。

  • 二十五有を済度する意味で、それに本面と化仏を加算
  • 十波羅蜜具足の意味で、六波羅蜜に各3種、ほかの四波羅蜜に各2種を開 いて計26面、これに本面を加えて27面

42手(臂)の数の由来は次のとおりです。

四十手が千を二十五有で割った数、そ こに合掌定印を各1臂と見做して計42。

この四十二臂は千手を代表する正大手。

二十七面の配列は、本面の両側に2面(計3面)、上へ次の段に7、7、5、5と5段に積上げます。

十一面像

十一面観音と同じく、十波羅蜜を満足して、第十一地妙覚を証する相。

その他

面数

1500や1000などが経典に記載されています。

最もシンプルには一面で三目として額中央に縦に描いたものがあります。

手数(臂数)

2・4・12・18など。

眷属

二十八部衆

二十八部衆千手観音の眷属。

千手観音二十八部衆、観音二十八部衆とも。

配置

  • 東西南北と上下に各4部(小計24部)
  • 北東・東南・北西・西南に各1部ずつ(小計4部)

登場するお経

  • 千手千眼観世音菩薩広大円満無礙大悲心陀羅尼経(唐の伽梵達摩訳)
  • 千手観音造次第法儀軌(唐の善無畏訳)

など。

構成

二十八の名称は諸経間で少し異同があります。

だいたい、大乗仏教に出る主要な天部をまとめた構成。

  1. 金剛力士こんごうりきし
  2. 梵天ぼんてん
  3. 帝釈天
  4. 四天王(4)
  5. 八部衆(8)
  6. 風神
  7. 雷神
  8. 辯才天
  9. 金毘羅こんぴら
  10. 婆籔仙人ばすせんにん
  11. 六王(6)
  12. 一大将
  13. 一天

詳しくは「二十八部衆」をご覧ください。

文化財

大阪府内には、千手観音を拝むことができるお寺がいくつかあります。

葛井寺

その一つに、葛井寺ふじいでらがあります。大阪府藤井寺市にあり、真言宗御室派の寺院です。

山号は紫雲山で、本尊の十一面千手千眼観音菩薩は国宝に指定され日本最古。実際に千の手を備えた千手観音像が祀られています。

毎月18日にだけ特別に開帳される秘仏です。

太融寺

大阪市内には真言宗太融寺(大阪市北区)というお寺があります。

太融寺は高野山真言宗で、千手観音を本尊にしています。

毎月18日に13時から観音経読誦会をするとき、参加者にだけ読経後に内陣を公開。

天平時代

天平時代(奈良時代)の作品に、剛琳寺(葛井寺)の坐像や唐招提寺の立像など。

  • 乾漆千手観音坐像(本堂安置):彫刻、奈良時代、重文指定年月日1938年8月26日、国宝指定年月日1952年11月22日、葛井寺、国宝・重要文化財(美術品)→文化遺産オンライン
  • 木心乾漆千手観音立像(金堂安置):彫刻、奈良時代、重文指定年月日1899年8月1日、国宝指定年月日1952年3月29日、唐招提寺(奈良県奈良市)、国宝・重要文化財(美術品)→文化遺産オンライン

他の時代

京都の三十三間堂(蓮華王院)にある彫像(国宝)は鎌倉時代のものとして有名。

  • 木造千手観音坐像〈湛慶作/(蓮華王院本堂安置)〉:彫刻、鎌倉時代・1251~1254年、1躯、重文指定年月日1908年4月23日、国宝指定年月日1951年6月9日、妙法院、国宝・重要文化財(美術品)→文化遺産オンライン
  • 木造千手観音菩薩立像:江戸中期・18世紀前葉。本堂右の脇壇にまつられる玉眼・漆箔像。頭部は前後に材を寄せ、体部は箱式で、三道下で差首。像高138.1cm。大阪市指定、指定年月日は2014年6月20日、有形文化財(美術工芸品)→文化遺産オンライン
  • 千手観音像:日本画(奈良県)、鎌倉時代・14世紀、絹本・著色・金泥・ 金箔・截金。掛幅は縦100.8cm、横41.0cm。重要文化財。→文化遺産オンライン
  • 旧南照寺千手観音堂:宗教建築、江戸・1797年。木造平屋建、鉄板葺、建築面積25㎡。福島県南会津郡南会津町川島字川島平1918、登録年月日は1998年12月11日。登録有形文化財(建造物)→文化遺産オンライン
  • 木造二十八部衆立像(所在蓮華王院本堂)、彫刻、鎌倉時代、28躯、重文指定年月日1900年4月7日、国宝指定年月日1955年2月2日、妙法院、国宝・重要文化財(美術品)→文化遺産オンライン
  • 千手観音二十八部衆像:絵画、鎌倉時代・13世紀、絹本着色、97.6cm×38.9cm。→文化遺産オンライン
  • 老女形立像(二十八部衆像):彫刻、平安時代・12世紀、木造、彩色、高100.0cm。→文化遺産オンライン

千手講

千手講せんじゅこうとは、千手観音の徳を讃嘆する法会のことです。

千手観音の四十手は五部五種法に応じて、一切の願望を成就します。

とくに夫婦和合の祈願には敬愛法を修します。

千手講は祈願でなく顕立で修します。

千手観音曼荼羅

千手観音曼荼羅せんじゅかんのんまんだらとは、千手観音の本誓や功徳を表示する曼荼羅です。

依拠する経典によって内容が異なります。

詳しくは「千手観音曼荼羅」をご覧ください。

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