意味
名前
帝釈天は天部に属して、守護神として崇められる仏尊。
- 音写:釈迦提桓因陀羅(Sakro Devānām indrahより)
- 略名:釈提桓因
- 異名:天主帝釈、天帝釈、天帝、天主、能天帝など
- 姓名:姓が僑尸迦、名が摩伽婆や千眼
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神話にて、帝釈天は、萎姫のために身体に千の女陰を印せられ、のちに智慧の眼に変転しました。
キャリア
四天王を領する天主で、身体に千眼を印して巨象に乗っています。
ヴェーダ時代に雨の神様として最高神に列せられていました。
対阿修羅戦の説話は仏典にも登場。
梵天とともに仏教に古くから混入していて、釈迦の説法を聞き、護法の善神とされてきました。
アドレス
インド神インドラは、須弥山山頂の忉利天善見城に住んでいて、梵天とともに三尊像とされました。
形姿
胎蔵界曼荼羅
東門
鎧甲を着用。
右手に独鈷杵、左手は拳にして腰に当てて、脚を交えています。
北門
宝冠を冠って三目。
右手は乳の前に当てて独鈷杵を持ち、左手は腰に当てて金山に坐っています。
前には華を捧げる童女形の眷属が従っています。
荷葉座
宝冠、羯磨衣(微細会は無し)を着用。
右手に独鈷杵(成身会では火輪印)を持ち、左手は拳にして腰に当て、荷葉座に坐します。
胎蔵旧図様
東方
角冠で三目、円座。
左手に独鈷杵。右肘を曲げて掌を開いて前に示しています。
北方
髪髻相で象に乗り、荷葉座に坐る侍者5人つき。
左手に独鈷杵。右肘を曲げて掌を開いて前に示しています。
略本瑜伽護摩軌
東方、白象に坐して、左脚を垂れています。
五色雲中に住み、身体は金色で、右手で三鈷杵を心臓に当て、左手は腰に当てています。
三天女は盤に蓮華を盛って捧げています。別尊雑記にも登場し、東寺講堂の像はこの儀軌にしたがい、象に半跏坐しています。
智泉様
千眼像(全身に目のある姿)。
梵天と並んだ造像が多く、金剛杵を持つ意味が強調されると執金剛神や金剛力士へ展開します。
文化財
日本でも飛鳥時代の玉虫厨子の須弥座にある施身聞偈図に、羅刹に扮した帝釈天を描いています。→厨子
奈良時代の絵を摸写した倶舎曼荼羅や東大寺戒壇院扉絵にも、梵天(羽扇)と帝釈天(払子)は宝冠を被り、鎧の上に長袖の衣を着けています。
この形式は、東大寺法華堂、法隆寺食堂・伝法堂、唐招提寺の立像に共通。
室生寺の金堂内陣後方の板壁に帝釈天曼荼羅が描かれています。
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