阿弥陀如来は西方浄土に住んでいて、「南無阿弥陀仏」と唱えるすべての人を極楽に導く仏様です。
意味
阿弥陀如来は「あみだにょらい」と読み、略して阿弥陀。
日本の仏様のなかで知名度が高く、阿弥陀さんや阿弥陀仏などの名前で親しまれてきました。
- 別名:観自在王仏、甘露王如来
- 密号:清浄金剛、大慈金剛
住所
- 西方浄土。「南無阿弥陀仏」を唱える人を極楽に導きます。
- 密教でも両界曼荼羅とも西方。
キャリア
浄土宗・浄土真宗の仏寺を中心に、本尊とする寺院は全国で半数以上。
密教では五智如来の一つ。
阿弥陀三尊とは、阿弥陀如来と、脇侍の観音菩薩・勢至菩薩の三尊仏のこと。
プロフィール
過去久遠劫に世自在王仏のとき、国王が無上道心を発して王位を捨てて出家。
国王は法蔵比丘となって仏のもとで修行。
諸仏の浄土を見学し、五劫の間考えて殊勝の願(四十八願)を起こしました。
それ以来、徳を積んだため、今から十劫以前にその願行が成就して阿弥陀如来となりました。
十万億土も向こうの西方に極楽浄土を建立して、今も説法しています。
役割・御利益
西方にて慈悲説法を司ります。
西方浄土(極楽世界)に住んでいて「南無阿弥陀仏」と唱えるすべての人を極楽に導いてくれます。
西方極楽世界の教主である点で、東方の薬師如来と対照的です。
サクセスストーリー
平安時代中期、源信の「往生要集」が出てから阿弥陀信仰が盛行。
九体仏の並ぶ浄瑠璃寺の各体は上品上生の定印を結んでいます。
造像の盛んなことは、四十九体・六十一体・百体・千体造像の記録があります。
奈良時代から作られたと伝える浄土変相図(浄土曼荼羅)や平安末期から盛んになった来迎図などの集団図の主尊でもあります。
形姿
けっこうフケてますね。
背上から紅蓮華の色光を放ち、西方の無量世界を照らします。
手は、通仏相(施無畏印・与願印)、定印、妙観察智印、説法印、来迎印、三摩地の印を結んだり、合掌したり、いろいろ。
ほかの仏部と区別するには印相によります。上品上生から下品下生までの九品あり。
霊場
阿弥陀如来を対象にした霊場めぐりのうち、大阪市内の仏寺が含まれるものに、大阪新四十八願所阿弥陀巡礼(浄土宗寺院48か寺)があります。
含まれる大阪市内の仏寺は次のとおりです。
札番 | 寺院名 | 所在地 |
2 | 源光寺 | 大阪市北区豊崎 |
3 | 蟠龍寺 | 大阪市北区野崎町 |
4 | 冷雲院 | 大阪市北区野崎町 |
5 | 智源寺 | 大阪市北区天神橋 |
7 | 大長寺 | 大阪市都島区中野町 |
8 | 善導寺 | 大阪市北区与力町 |
10 | 専念寺 | 大阪市北区同心 |
11 | 心眼寺 | 大阪市天王寺区餌差町 |
12 | 傳長寺 | 大阪市天王寺区餌差町 |
13 | 最勝寺 | 大阪市天王寺区餌差町 |
14 | 慶傳寺 | 大阪市天王寺区餌差町 |
15 | 寳樹寺 | 大阪市天王寺区城南寺町 |
16 | 法蔵院 | 大阪市天王寺区城南寺町 |
17 | 大善寺 | 大阪市天王寺区城南寺町 |
18 | 全慶院 | 大阪市天王寺区城南寺町 |
19 | 慶恩院 | 大阪市天王寺区城南寺町 |
20 | 長安寺 | 大阪市天王寺区城南寺町 |
21 | 龍淵寺 | 大阪市天王寺区城南寺町 |
22 | 大福寺 | 大阪市天王寺区上本町 |
23 | 天性寺 | 大阪市天王寺区上本町 |
24 | 正念寺 | 大阪市天王寺区上本町 |
25 | 西光院 | 大阪市中央区上本町西 |
26 | 誓願寺 | 大阪市中央区上本町西 |
27 | 専念寺 | 大阪市中央区上本町西 |
28 | 白雲寺 | 大阪市東住吉区北田辺 |
29 | 大雲寺 | 大阪市中央区中寺 |
30 | 安楽寺 | 大阪市天王寺区生玉町 |
31 | 圓通寺 | 大阪市天王寺区生玉寺町 |
32 | 増福寺 | 大阪市天王寺区生玉寺町 |
33 | 光善寺 | 大阪市天王寺区生玉寺町 |
34 | 大寶寺 | 大阪市天王寺区生玉寺町 |
35 | 浄運寺 | 大阪市天王寺区生玉寺町 |
36 | 大安寺 | 大阪市天王寺区生玉寺町 |
37 | 長圓寺 | 大阪市天王寺区生玉寺町 |
38 | 九應寺 | 大阪市天王寺区生玉寺町 |
39 | 一心寺 | 大阪市天王寺区逢坂 |
40 | 良運院 | 大阪市天王寺区下寺町 |
41 | 西念寺 | 大阪市天王寺区下寺町 |
42 | 善福寺 | 大阪市天王寺区下寺町 |
43 | 西徃寺 | 大阪市天王寺区下寺町 |
44 | 宗念寺 | 大阪市天王寺区下寺町 |
45 | 源聖寺 | 大阪市天王寺区下寺町 |
46 | 浄國寺 | 大阪市天王寺区下寺町 |
47 | 稱念寺 | 大阪市天王寺区下寺町 |
48 | 法善寺 | 大阪市中央区難波 |
文化財
日本で最も親しまれている阿弥陀如来は、文化財に指定されるものも多いです。
文化庁の管轄する「国指定文化財等データベース」てを「阿弥陀如来」を検索すると、354件の文化財が登録されています。
国宝
- 仁和寺金堂…木造坐像、三尊仏3体。創立当時(888年)の本尊と伝え、檜材の一本造。
- 広隆寺・講堂安置…木造坐像。
- 平等院鳳凰堂本尊…木造坐像、寄木造りで漆箔。大仏師定朝作と確証のある唯一かつ晩年(〜1057年没)の作。平等院鳳凰堂の建立は1053年。
大阪市指定文化財
- 木造阿弥陀如来坐像(宝樹寺)…一木割矧造の彫眼像で、割り首をせず前後に材を割り矧ぎ、両体側を含めて根幹材から彫出。制作年代は平安時代、11世紀代とみられ、大阪市域に伝来する希少な平安彫刻。
- 木造阿弥陀如来立像(光明寺)…本尊像で、開口して歯相を呈し、全国でも10数例しかない希少な歯吹阿弥陀(歯吹如来)の作品。上町台地に伝来する中世の阿弥陀像の一つ。制作年代は南北朝~室町時代、14世紀後半ころ。
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