意味
玉虫厨子とは法隆寺金堂に安置している宮殿型厨子。
大きな框座(台座の一種)に立ち、高さ2.33m。
宮殿の柱などに打ちつけた金鋼透彫装具の下に、多くの玉虫の羽を嵌め込んであることが語源。
金鋼透彫装具には忍冬唐草などの美しい飛鳥文様がみられます。
形状
宮殿の屋根は四注造の上に切妻造を重ねたような一種の入母屋造。
瓦は行基葺といい、肘木を用いるなど飛鳥建築の雛型。
宮殿内部には、壁面および扉内面全体にわたって、千体仏を起した金銅板が貼りついています(金銅鎚錬千仏座像→金銅仏)。
下の須弥座には、舎利供養図(正面)や捨身飼虎図(右側)、施身聞偈図(左側)、須弥山(後面)を描いています。
施身問偈には羅刹に扮した帝釈天が登場します。
全体的に単純な筆致ですが、一図のなかに別の場面を描いて時間の動きを示すなど、後の絵画発展を先取りした具合に構成されています。
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