意味
六観音とは6種類の観音菩薩のこと。
宗旨により種類の異動があり、総じて七観音ともいいます。
六道六観音
六観音を初めて説いたのは中国天台宗開祖の智顗。
智顗は『摩訶止観』の中で、六道(地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人、天)の各界で苦しんでいる人々を各界で救ってくれる六観音を設定ました。
- 地獄…大悲観音
- 餓鬼…大慈観音
- 畜生…獅子無畏観音
- 阿修羅…大光普照観音
- 人…天人丈夫観音
- 天…大梵深遠
です。
智顗の六観音は流行せず、日本では平安時代中期に、真言宗と天台宗で新しく設定されていきました。
共通キャラ
六道六観音のうち、真言宗と天台宗で共通するキャラは5つで、次のとおりです。
異動キャラ
5の「人」を真言宗は准胝観音とし、天台宗は不空羂索観音としています。
七観音
このように真言宗と天台宗で、准胝観音と不空羂索観音が入れ替っているので、双方の観音をあわせて七観音とする信仰も発生しました。
六観音信仰
六観音信仰(七観音信仰)は、貴族を中心に庶民へも浸透していき、六地蔵信仰も生まれました。
京都の有名寺を中心にした観音巡りは平安時代の十世紀から流行し、三十三ヶ所観音霊場巡りに発展していきました。
三十三という数字は「法華経」普門品のにある観音の変化数です。
六観音は、六道からの救済を目指すものでしたが、後年、六道からの救済は六地蔵の方に委ねるようになり、観音は現世利益の功徳の方を優先していきました。
三十三ヶ所観音霊場巡りの本尊は六観音(七観音)に限定されています。
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