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法華経

経典・文献
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意味

法華経ほけきょうとは大乗仏教の重要な経典の一つです。

正式名称は妙法蓮華経みょうほうれんげきょうで、「Saddharmapundarika-sūtra」(サッダルマプンダリーカースートラ)の訳語。

仏教思想史上や仏教文学史上の不屈の名作といわれます。

日本では日蓮宗僧侶がよく唱えます。

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原形の成立

原形は21章で、のちに7章が加わって28章に。

この28章の法華経が、すでに龍樹の「大智度論」に引用されていて、原形の成立は古く紀元前後に遡ると推定されます。

特徴

法華経の作者は、小乗仏教各派の型にはまった教義を離れました。

そして、ブッダの真精神をつかむために、詩や譬喩や象徴などの文学手法を駆使しています。

そのうえで、永遠の生命そのものとしての仏(久遠実成の仏)を讃えました。

内容の中核にはブッダの説いた教えがちゃんと入っています。

精妙な言葉使いとあいまって、独得の効果があります。

翻訳と解釈

漢訳は6訳ありましたが、現存するものは3種。

  1. 正法華経…10巻、笠法護訳、286年
  2. 妙法蓮華経…8巻、406年、鳩摩羅什
  3. 添品妙法蓮華経…8巻、601年、闍那崛多じゃなくった達摩笈多だるまぎゅうた共訳

このうち、妙法蓮華経(鳩摩羅什訳)が最も有名で、ふつう、法華経というとこれをさします。

インド

世親が略解した「妙法蓮華経優婆提舎」2巻 (菩提流支曇林訳)があります。

中国

鳩摩羅什訳のあと、注釈をつけた著書がいくつか。

  • 智顗(天台大師)…法華三大部
  • 光宅寺法雲…義記
  • 吉蔵…義疏玄論
  • 基…玄賛

うち智顗は、本経にもとづいて天台宗を創立しました。

日本

聖徳太子の義疏以後、鎮護国家の三部経の一つとして古くから尊信されました。

最澄は日本天台宗を開いて仏教教学の中心となり、官制側から、新仏教の根幹として仏教界を支配しました。

日蓮は法華経を強調して仏教復興に尽力しました。

教判では諸師が等しく、大乗教最高の円教として、仏一代の妙教とみなしてきました。

大乗仏教が中心の日本では、古代から法華経の写経や刊経が多く、法華講は天台三会の一つとして、仏教徒と関係のふかい経典です。

梵語原典からの翻訳

1852年、フランスの学者ビュルヌフが梵語原典からフランス訳を出版。

1884年、オランダのケルンが梵語原典から英訳を出版。

梵語原典の邦訳は、①南条文雄・泉芳璟共訳、②岡教遂訳、③河口海訳(チベット文から)の3種。

一品経

一品経いっぽんぎょうとは法華経の二十八品(28章)を品別に仕立てた写経

平安時代末期に流行しました。

文献では栄花物語本のしづくの巻などに出てきます。

遺品では、高野山金剛峯寺の紺紙金字経、平家納経、久能寺経、竹生島経、慈光寺経などの装飾経、神戸市太山寺の紙本墨書経などがあります。

また、法華経二十八品を歌題とした短歌を一品経和歌といい、一品経和歌を懐紙に書いたものを一品経懐紙といいます。

関連情報

「法華経」法師品に説く10種を三宝に供養することを十種供養じっしゅくようといいます。

屋根瓦と同質の平板の両面に、経文を篦書した瓦経かわらぎょうでは法華経が最多です。

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