意味
辯才天は天部に所属する仏尊で、柔らかい天女形をしています。
音楽・辯才・財福・智慧の徳があります。
日本では七福神のうち財宝神としても信仰され「辨財天」や「弁財天」と表記することも。
- 音写:薩曜薩伐底/サラスヴァティ(Sarasvatiから)
- 異名:大辯才天、大辯才天女、大聖辯才天神、妙音天、美音天
- 俗称:辨財天、大辯才功徳天
- 略名:辯天、大辯天
- 三昧耶形:琵琶
キャリア
アドレス
外金剛部院の西方。
展開
略歴
インド神話のサラスヴァティ(Sarasvati)は河を神格化したもの。
舌・学芸・知識の女神で、音楽の神、戦勝の神、やがては福智増益から延寿・財宝の神とされました。
日本では七福神に加えられ、吉祥天とともに、多くの人々から信仰されました。
インドにて
金光明経(金光明最勝王経)7巻(大辯才天女品)によると、インドのパンジャーブ州(五河地方)の河神として崇拝され、のちに梵天の妻になりました。
インドでの信仰は長らく続き、梵天の妃としてだけでなく、太陽女神としても信仰されました。
阿修羅を破っては一切智の神と、また、広く一切世間の母と称せられました。
仏教へ
仏教に入ってから金光明経(金光明最勝王経)大辯才天女品に詳述されました。
密教へ
密教に入ってから、胎蔵界曼荼羅の外金剛部院に琵琶を奏する図で登場。
これを機会に琵琶が象徴となりました。
- 滋賀県の宝厳寺(琵琶湖竹生島)
- 宮城県の黄金山神社(金華山島)
- 広島県の厳島神社(宮島)
- 神奈川県の江島神社(江の島)
など、水域に関係ある場所に崇められ、明治維新後に神社に改められたものが多いです。
形姿
古くから造像があります。
二臂像
二臂像の基本形は、左手に琵琶を持って右手で演奏する姿。
八臂像
よくある形姿は八臂像。
ふつう、左手に弓・刀・斧・羂索、右手に箭・三股戟・独鈷杵・輪を持っています。
金光明経(金光明最勝王経)には八臂立像が描かれていて、弓・箭・刀・矛・斧・杵・鉄輪・羂索を持っています。武器づくしです(^^)
偽経の「宇賀神王陀羅尼経」などの辯才天説から、蛇頭人身像が出現しました。
この説や像は、蛇を宇賀神という財宝神に崇め、辯才天と混合して蛇を神使いとみなしています。
眷属:十六童子
偽経では十五童子か十六童子が従っています。
眷属として辯才天十六童子を俗称で掲げます。(括弧内は別名)。
- 印鑰(麝香)
- 官帯(赤音)
- 筆硯(香精)
- 金財(召請)
- 稲紐(大神)
- 計升(悪女)
- 飯櫃(月)
- 衣裳(除泗)
- 蚕養(悲満)
- 酒泉(密跡)
- 愛敬(施願)
- 生命(臍虚空)
- 従者(施無畏)
- 牛馬(随令)
- 船車(光明)
- 善財(乙護)※登場しないケースあり
文化財
木造荼吉尼天騎狐像
- 有形民俗文化財
- 大阪府
- 室町時代・16世紀
- 像高 81.7cm
- 1躯
- 大阪府大阪市住吉区万代6-13-9
- 大阪市指定
- 指定年月日:2014年06月20日
- 宗教法人 東大寺
- 有形民俗文化財
木造弁才天及十五童子像
- 指定民俗文化財:有形民俗文化財
- 所有者:宗教法人 荘厳浄土寺
- 所在地:大阪市住吉区帝塚山東
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