意味
孔雀明王、正式には仏母大孔雀明王。
仏教初期に成立した仏尊で、いろんな毒を取り除きます。
経典によっては菩薩とも。
- 別名…孔雀仏母、孔雀王母菩薩、金色孔雀王
- 密号…仏母金剛
- 三形…孔雀尾・半月
キャリア
誕生
インドのヒンドゥー教の女神として、猛毒の蛇を食べるとされました。
あらゆる諸毒を除去する能力を神格化して、孔雀明王が誕生しました。
所属
明呪の経験が勝れるので明王に属します。
明王たちの多くは忿怒の形相をしていますが、孔雀明王は菩薩形の表情。
「玄法軌」「青龍軌」では菩薩にランクイン。
役割・御利益
孔雀明王の陀羅尼を誦すると、さまざまな害毒を除き大安楽を得ます。
形姿
二臂像
右肘を曲げて孔雀尾を立て、左掌は心臓の前で上向けて蓮華を持っています。
四臂像
「孔雀経法」の本尊。
「孔雀明儀軌」には、金色の孔雀の背に 白色か青色の蓮華座上に坐しています。
身体は白色で慈悲の形相。
四臂の右手は開敷蓮華と倶縁果を持ち、左手の一手は掌を胸前に仰けて吉祥果を、二手は三五茎の孔雀尾を持ち上げる姿。
光背にも孔雀尾が並び、頭冠・瓔珞・耳・臂釧などは、すべて菩薩形に荘厳されています。
四臂の持物は四種法を示すといいます。
- 蓮華:敬愛
- 倶縁果:増益(気力を増すため)
- 吉祥果:降伏
- 孔雀尾:息災
六臂像
四臂像にくわえ、右手に月輪、左手に梵篋を持っています。
儀軌にはありませんが、口伝として存在してきました。
八臂像
インド・チベットの八臂像も儀軌は不明です。
本軌では「仏母大孔雀明王経」3巻(不空訳)をはじめ7種に登場。
文化財
秘法として「孔雀経法」が流布し、図柄としては平安後期からの傑作がたくさん。
- 金剛峰寺孔雀堂安置…重要文化財、木彫(木造坐像)、1200年、快慶作
- 東京国立博物館蔵… 国宝、絹本着色、孔雀経法の本尊
- 仁和寺蔵…国宝、絹本着色、南宋画。
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