意味
十王とは冥土(冥途)で亡者の罪を判断する10体の司法官。
ふつう、閻魔王がすべて裁くといわれますが、十王説と閻魔説があるわけです。
メンバー
キャリア
服装をみると、インドではなく中国六朝時代か唐末五代の成立のようです。
登場する文献
日本でも平安時代末期から流行し、偽経「地蔵菩薩発心因縁十王経」(十王経)には各王に本地仏を当ててます。
鎌倉時代以降、①日蓮の「十王讃嘆鈔」、②存覚(浄土真宗)の「浄土見聞集」、③空海の偽著「弘法大師逆修日記事」は十三仏との関連を説いています。
十王と十三仏との関連
括弧内は逆修日の月日。
- 秦広王(秦皇王)…初七日、不動明王(正・16)
- 初江王…二七日、釈迦如来(2/29)
- 宋帝王(宗帝王)…三七日、文殊菩薩(3/25)
- 五官王…四七日、普賢菩薩(4/14)
- 閻魔王…五七日、地蔵菩薩(5/24)
- 変成王…六七日、弥勒菩薩(6/15)
- 泰山王(太山王)…七七日、薬師如来(7/8)
- 平等王…百ヶ日、観音菩薩(8/18)
- 都市王(都市帝王)…1周年、勢至菩薩(9/23)
- 五道転輪王…第3年、阿弥陀如来(10/15)
以上の本地仏に続いて3仏尊を加えた十三仏とは
となります。
文化財
十王像の起源は中国で朝鮮半島にも広がり、日本では鎌倉時代の彫刻や絵画があります。
彫刻
円応寺・白毫寺に数体のみ。
絵画
陸信忠筆と伝える法然寺の絹本著色図をはじめ、大徳寺・二尊院・宝福寺に10幅ものがあります。
また、地蔵菩薩に伴なう能満院・日光院・長谷寺などにも所蔵されています。
十王経
十王経は、中国民間信仰と仏教信仰との混合説を述べた経典で、諸本があります。
根本の発想は、死後の世界で十人の王に生前の罪業を裁かれるという点。
唐代の蔵川述の閻羅王授記四象逆修生七住生浄土経や、平安時代末期の地蔵菩薩発心因縁十王経などが流布しました。
これら冥府信仰と地蔵信仰の結びつきは中国で5世紀頃から確認されます。
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