意味
如意宝珠とは、意のままに珍宝・衣料・食物を出して、あらゆる苦を除いてくれるファンタジーな宝珠。
真言宗最極の秘物。
- 音写:真陀+摩尼
- 意味:意思惟+宝珠
- 別称:如意珠、如意宝、宝珠摩、摩尼珠、能作性珠
法や仏徳を譬えたり経典の功徳を表徴的に表わします。→如意
キャリア
誕生
諸説があります。
如意輪観音・馬頭観音・地蔵菩薩などの持物として人々の心願を満足させます。
出典・御利益
如意宝珠は真言宗最極の秘物で、古来から重々の口伝が存在しています。
展開
平安時代から室町時代にかけて、如意宝珠信仰は日常的存在となりました。
民間普及のきっかけとなるエピソードには次のようなものがあります。
民間普及のきっかけ
- 鞍馬寺の代官が七曲の扇一本を拾得したところ、その中に如意宝珠が描かれていた。
- 伊勢では絵馬に馬と俵と升と如意宝珠を描いた図様がある(多聞院日記)。
- 同じく絵馬に、裸馬に如意宝珠と稲を描いた図様もある(多聞院日記)。
- 甲府の正木神社・稲積神社には双狐に火焔宝珠をあしらった絵馬が伝わる。
- 興福寺延年連事舞式に、如意宝珠連事の曲を制作した。
如意宝珠の民間普及からでてきた俗信の代表仏尊は、雨宝童子でした。
如意宝珠と雨宝童子
ところが、空海(弘法大師)に仮託された「雨宝童子啓白」に、この童子の広い功徳(御利益)が展開していきました。
童子は変身自在の仏尊で、左手に赤色の宝珠を持ち、額につけた白い如意宝珠から、衣服、福禄、弁才・美色・美食を出して、万事如意を表しました。
これを機に、如意宝珠の機能の万全性を強調するためには、雨宝童子を眷属の護法的地位から梵天のような高い地位へ格上げする必要がありました。
密教にかぎらず、伊勢神道の文脈でも童子は天照皇大神影向の姿へと変わっていきました。
如意宝珠金輪呪王経
正式名称は如意宝珠転検秘密現身成仏金輪呪王経。
略して金輪呪王経。
如意宝珠の功徳を広く説明。
如意宝珠立
宝珠立・如法とも。
如意宝珠を直ちに本尊とする秘事もあります(後述)。
如意宝珠法
略して如意法・如宝・如法・如去・彼法。
如意宝珠を本尊として修する法。
東密では最極深秘の法とするので、名を秘して略称や異体文字を用います。
典拠とする経軌がありません。
エピソードによると、空海が恵果和尚から如意宝珠を相承して室生寺(奈良県)に埋めました。
遺告第24条に、「東寺座主大阿闍梨耶は如意宝珠を護持すべき縁起」に、恵果のロ決で儀軌に注せず大日如来の所説に拠る」とあります。
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