意味
十羅刹女とは「法華経」陀羅尼品に登場する女性鬼神たち(のち神女に)。
鬼子母神に連れられることもあります。
キャリア
天台宗や日蓮宗でひろく信仰されました。
儀軌に「法華経十羅刹法」があり、「蓮華三昧経」(法華経を密教的に解説した偽経)や「孔雀経」にも説かれますが、異説が多いです。
「法華経」によると、十羅刹女は釈迦から法華経の話を聞き、成仏できることを知り、法華経受持者を守護することを誓いました。普賢十羅刹女とも。
メンバーと本地
- 藍婆:本地は上行菩薩
- 毘藍婆:本地は無辺行菩薩
- 曲歯:本地は浄行菩薩
- 華歯:本地は安立行菩薩
- 黒歯:本地は釈迦如来
- 多髪:本地は普賢菩薩
- 無厭足:本地は文殊菩薩
- 持瓔珞:本地は観音菩薩(→瓔珞)
- 皐諦:本地は弥勒菩薩
- 奪一切衆生精気:本地は多宝如来
羅刹女の名前と数は、上記と異なる名前が登場することもあります。
また八大羅刹女、十二大羅刹女、孔雀経の七十二羅刹女などもあります。
形姿
忿怒形はありません。
- 唐風女装…①廬山寺蔵(平安時代)、②藤田家蔵、③常忍寺蔵
- 和風十二単衣姿…①日野原家蔵、②文化庁蔵(以上鎌倉時代)、③福祥寺蔵(須磨寺)、④大福寺蔵(以上室町時代)
文化財
大阪市都島区にある藤田美術館の前野学芸員がやさしくアートを解説しています。以下は「女性に信仰された華やかな仏画:普賢十羅刹女像」のページです。
全国的には次のような文化財があります。
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