シルクロード・美の回廊II「“微笑み”がきた道」
NHKのBS4Kスペシャルに、シルクロード・美の回廊II「“微笑み”がきた道」という番組があります。
「仏像の微笑み」を中心にシルクロード上に見られる仏像の表情を丹念に追求。豊富なコンテンツに仕上がっています。
初回放送は、2019年04月05日(金)14:30 〜 15:59。
この番組の強みは、総計30窟に及ぶ中国の石窟美術を世界で初めて4Kカメラで撮影する許可を得た点。
ここでは、いろんなサイトにリンクを貼りながら、微笑む仏像の正体と誕生物語を追う番組を追体験したいと思います。
菩薩半跏像
微笑みを探るスタートは、奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺北にある聖徳宗寺院の法興山中宮寺。
この観音菩薩は木造菩薩半跏像といって、国宝「菩薩半跏像」(半跏思惟像)として有名です。
この仏像、じつは如意輪観音ではなく、弥勒菩薩ではないかと囁やかれてきました。
もし弥勒菩薩だとしたら、ユーラシア大陸規模の広がりを予想できると踏んで、NHK取材班は奈良から西へ、シルクロードを旅していきます。
旅のビジョン
番組では菩薩半跏像の微笑みのルーツを求めて西へと旅立ちます。
もちろん、東洋・西洋に共通する古代の微笑み「アルカイック・スマイル」にも触れています。
旅は奈良県の中宮寺にはじまり、シルクロード河西回廊(≒中国甘粛省)を西へ。
麦積山石窟(中国甘粛省天水市)、敦煌莫高窟(中国甘粛省敦煌市)、アフガニスタン・バーミヤンを経由し、イタリアのサンタ・マリア・カープア・ヴェーテレまで。
最後に中国甘粛省天水市へ回帰。
炳霊寺石窟に並ぶ仏像群を前に、微笑みのルーツを解明します。
麦積山石窟:微笑みの仏
麦積山石窟でのテーマは「麦積山:微笑みの仏」。
麦積山石窟は中国甘粛省天水市にあり、中国4大石窟の1つで世界遺産に登録されています。
- 釈迦如来像と息子像(宋代)
- 阿難像(北魏)
- 第123窟の童子像(帽子女子)と童女像(ツインテール女子)
- 第44窟・西魏の文帝の乙仏皇后をモデルとして作られた仏像(非公開作品)
- 第80窟・菩薩の自然な微笑み
麦積山石窟で微笑む各仏像は5世紀から6世紀の1世紀間に製作された点がポイント。
その後の仏像には笑顔が消えました。
敦煌莫高窟:微笑みの弥勒
弥勒菩薩と太陽神ミスラ(255窟)に焦点が絞られていきます。
アフガニスタン・バーミヤン:弥勒菩薩の誕生
バーミヤン遺跡の東大仏・西大仏、太陽神ミスラこそ未来仏・弥勒菩薩との説(前田教授←ヘレニズム文化やクシャーナ朝)。
ミスラ(ミトラ)の東進で弥勒菩薩に。
イタリア:ミスラの西進
ミスラの西進はイタリア、サンタ・マリーア・カープア・ヴェーテレにて、ゾロアスター教やミトラ教の太陽神ミスラ(ミトラ)。
しかし、イタリアで4世紀にキリスト教が公認されてからミトラ教は衰退しました。
炳霊寺石窟:解明 微笑みの謎
中国甘粛省天水市永靖県。
炳霊石林の麓に広がる中国最古の石窟。
空旅中国:名僧たちの足跡「玄奘のシルクロード」にも炳霊石林が登場。
高さ27mの弥勒大仏と兜率天。
169窟に五仏坐像や千仏画(中央に弥勒菩薩)。
また、弥勒菩薩と太陽神ミスラとの関係もご覧ください(^o^)
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