概要
青龍寺とは、中国陝西省西安市(長安)にある仏教寺院。
隋の文帝が都を定めたとき、城中の陵墓を郊外に移して寺を建てました(墓)。
このお寺を霊感寺といって、唐代(711年)に青龍寺と改称。
不空の弟子・恵果はこの寺で密教を弘め、日本の空海はここで恵果に師事して灌頂を受けました(805年)。
855年に円珍に法を授けた法全も、ここに住して密教を伝えました。
法全の訳出した「大日経」四部儀軌の一を青龍寺儀軌といい、この寺の良賁著の新訳仁王経疏や道鼠の金剛経疏を青龍疏 といいます。
現況
北宋期の1086年に青龍寺は廃墟となりましたが、今は復元されています。
昔ながらの3構成で、東院、西院に分かれ、中院は遺跡区となっています。
空海が学んだ建物は東院で、これは現在、恵果空海記念堂庭となっています。西院は2階建ての配殿計19間のスペースをもっています。
- 1956年省級文化財保護単位陝西省人民政府によって省級文化財保護単位に認定
- 1963年調査
- 1973年再調査と再発掘中国社会科学院考古研究所西安工作隊が新昌坊の街を掘り、青龍寺の位置を確認
- 1982年「空海記念碑」設置日本の真言宗各派が西安市と協議し「空海記念碑」を設置
- 1984年「恵果空海記念堂」設置日本の真言宗各派が西安市と協議し「恵果空海記念堂」を設置
- 1992年省級重点史跡陝西省人民政府35号文書により、陝西省135カ所の省級重点史跡の一つに指定
- 1996年全国重点文化財保護単位青龍寺遺跡を含む隋大興唐長安城遺跡が中華人民共和国国務院によって全国重点文化財保護単位に指定
- 1997年西院西安市人民政府が西院を仏教管理に移管し、宗教活動を再開(東院は文化遺産として西安市文物局が管理)。
- 2005年以降青龍寺遺跡西安市政府が楽遊原歴史文化公園(青龍寺遺跡保護)プロジェクトを実施し、青龍寺遺跡の保護と建設利用に注力
- 2012年弘法大師・空海を偲ぶ日中交流訪問団日中国交正常化40周年を記念し、日本の旅行業協会や観光振興協会が「弘法大師・空海を偲ぶ日中交流訪問団」を編成して訪中
- 2019年空海記念碑「空海記念碑」が20世紀建築遺産に選定
青龍寺儀軌
正式名称は大毘盧遮那么神変加持蓮華胎蔵菩提幢標幟普通真言藏広大成就瑜伽。
法全が選んだお経です。
胎蔵法四部儀軌の一つで、胎蔵大法の供養儀軌のこと。
法全が玄法寺から青龍寺へ移住してから選出しました。
玄法寺儀軌よりも内容が整備されています。
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