意味
大随求菩薩は、幅広い御利益をもつ菩薩です。
意味は、法術・護符・ 僕婢などを求めるに随って(随求)自在であること。
- 音写:摩訶鉢羅底薩落(Mahāpratisarāから)
- 異名:随求菩薩・随求大明王
- 密号:与額金剛
- 三形:梵篋
キャリア
役割・御利益
真言を唱えると、戦災や天災から、滅罪や求子(子授け)にいたるまで、幅広い御利益・功能があります。
真言
おんばらばら さんばらさんばら いんだりやびしゅだねい うんうん ろろしゃれいそわか
展開
たくさんの御利益が歓ばれて、平安時代以降に流行しました。
しかし、陀羅尼を唱えることに偏り、本尊として遺作がほとんど作られませんでした。
アドレス
胎蔵界現図曼荼羅(蓮華部院)に配属。
形姿
胎蔵界現図曼荼羅(蓮華部院)
慈悲円満の形相をしていて、八臂像。
身体は黄色。
宝冠中に化仏があり、蓮華に坐します。
- 右手…五鈷杵・剣・鉞斧・三股戟を所持
- 左手…宝輪を乗せた蓮華索・宝幢篋を所持
仏像によっては持物に少し相違あり。
瑜伽大教王経(宋・法賢訳)
四面八臂、各三目。
梵篋の代りに弓を持っています。
この形姿は日本へ伝わりませんでした。
大随求菩薩の教令輪身が無能勝明王なので、この明王の形像に継がれた可能性があります。
イラスト
経典
経軌
- 大随求陀羅尼経(後述)
- 随求即得陀羅尼経
- 大随求八印
偽経
- 随求即真言軌
- 大随求懺悔法
文化財
絹本著色大随求像
唯一の遺品は観心寺蔵の絵画です。
- 絹本着色
- 133.3×108.2cm
- 鎌倉時代
- 所在地:河内長野市寺元
- 所有者:観心寺
- 時代:鎌倉時代
- 指定年月日:1899年8月1日
背景は茶色。画面の幅いっぱいに白色の月輪を描いています。
「胎蔵界曼荼羅」蓮華部院の図に同じように、深黄色の身体を紅線でくくり、法衣にも紅色を加え、二重光背の中輪と外縁火焰にも紅色を用いています。
白い台座も各瓣を紅線でくくっています。
八臂それぞれの持物も蓮華部院の図に忠実。
寂光院随求堂
- 登録有形文化財(建造物)
- 宗教建築
- 愛知県
- 江戸時代/1805年
- 木造平屋建、瓦葺、建築面積64㎡、1棟
- 愛知県犬山市大字継鹿尾字杉ノ段12
- 登録年月日:2005年07月12日
大随求陀羅尼
読みは「だいずいぐだらに」。
大随求菩薩の三昧の境地の陀羅尼。
インド・西城・中国・日本で広く読誦されてきました。
長篇の陀羅尼で、書かれた霊験は増益・除災・招福・授産・豊作・天候和順の世間利益や、出世間の功徳を容易に得られる功能があります。
空海が請来した「梵本大随求真言」は、不空訳の「普遍光明清淨熾盛如意宝印心無能勝大明王大隨求陀羅尼経」2巻に、「小随求真言」は、法天訳「仏説大護明大陀羅尼経」に、それぞれ相当します。
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