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国語辞典にみる仏教用語

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国語辞典にみる仏教用語

国語辞典から仏教用語をまとめています。

国語辞典はフラットな説明をしていて宗派を超えますから、私のようにこれから仏教に親しむには相応しい教材です。

おもに使った辞典はこちら。

林四郎監修、篠崎晃一編修代表、相澤正夫・大島資生編著『例解新国語辞典』第十版、三省堂、2021年。

これは日本語教師養成講座の先生方がこぞって「丁寧でコンパクト」と賞賛されていた中学生用国語辞典です。

好奇心が高まれば、そのとき、ランクアップした辞典や一般書・専門書を求めるのが私のスタンスです。

いろいろとシンプルにしてから学びたい方々にお勧めの一冊です。

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リンクのある用語には詳細ページがあります。掘り下げて読まれるときにご覧ください。

ア行の仏教用語

  • あみだ(阿弥陀)…西方浄土に住んで「南無阿弥陀仏」と唱えるすべての人を極楽に導く仏。阿弥陀如来とも阿弥陀仏とも。
  • えこう回向)…死者の霊が安らかであるように、お経を読み上げて仏に願うこと。廻向とも。
  • おふせ(お布施)…法要の謝礼として、僧侶に渡す品物やお金。

カ行の仏教用語

  • がんかけ(願掛け)…神仏に、願い事が叶うよう祈ること。
  • かんぜおんぼさつ観世音菩薩)…慈悲の心が深く、人々の苦しみを救う仏。略して観音(かんのん)。観音菩薩、観音さまなどと使う。
  • かんのん観音)…観世音菩薩の略語。また、観世音菩薩を本尊とする仏寺の総称。
  • きがん(祈願)…神や仏に願いをかけること。
  • きとう(祈禱)…神や仏に祈ること。新漢字で祈祷。
  • くよう供養)…仏様や死者の霊に対して、お供えをしたり、お経を読んだりして慰めること。
  • けんきょう(顕教)…密教からみた、密教以外の宗派。「けんぎょう」とも。
  • けんずいし(遣隋使)…ヤマト政権が中国の文化を取り入れるために、隋王朝へ送った使者のこと。607年に小野妹子おののいもこが最初に派遣された。
  • けんとうし(遣唐使)…奈良時代から平安時代初期にかけて、唐の文化を取り入れるために日本から中国へ送られた使者のこと。630年に始まり、894年に中止された。
  • ごくらく(極楽)…極楽浄土の略。心配も苦しみもない安楽な境遇。
  • ごくらくじょうど(極楽浄土)…阿弥陀如来がいる、全てが満ち足りた、苦しみのない理想の世界。
  • ごま(護摩)…密教で、本尊の前に壇を設けて、木を燃やして仏に祈ること。

サ行の仏教用語

  • さんすくりっと(サンスクリット)…古代インドの文章語。梵天ぼんてんという神が作ったことから梵語とも。和尚おしょう・禅・僧・奈落ならくなど、仏教の言葉には、サンスクリット語が古代の中国で漢訳されて日本へ伝わったものが多い。
  • しゃか(釈迦)…古代インドの仏教の開祖。ブッダ(仏陀)とも。
  • じょうど浄土)…如来や菩薩がいる、苦しみのない清らかな世界。
  • じょうどしゅう浄土宗)…仏教の宗旨の一つ。平安時代の終わりに法然が始めた。ひたすら念仏を唱えれば誰でも極楽浄土に往生することができると説いた。
  • じょうどしんしゅう浄土真宗)…仏教の宗旨の一つ。鎌倉時代に浄土宗から分かれ、親鸞が始めた教え。阿弥陀仏への信心を説いた。略語に真宗。一向宗とも。
  • じゅず(数珠)…たくさんの丸い玉に糸を通して輪にしたもの。仏を拝むとき手首に掛ける。念珠とも。
  • しんごんしゅう真言宗)…仏教の宗旨の一つ。平安時代の初め、唐から帰国した空海が開いた。呪文の力で即身成仏することを説く。
  • ずい(隋)…中国の統一王朝で、589年に全土を統一し、長安に都を置いた。中央集権の政治を行ない、大運河の土木工事や高句麗遠征の失敗で618年に滅んだ。
  • せがき(施餓鬼)…地獄に堕ちて飢え苦しむ人や後を弔ってくれる人のいない死者に対する供養

タ行の仏教用語

  • たむけ(手向け)…神仏や死んだ人へのお供え。
  • てんだいしゅう天台宗)…仏教の宗旨の一つ。平安時代の初め、唐から帰国した最澄が伝え、比叡山に延暦寺を開いて教えを広めた。
  • とう(唐)…隋に代わって中国を統一して、300年近く続いた漢民族による王朝。国力が充実して文化が栄えた。都は長安(今の西安)にあり、政治上の制度をはじめ、多くの点で日本に大きな影響を与えた。

ナ行の仏教用語

  • にちれんしゅう(日蓮宗)…仏教の宗旨の一つ。鎌倉時代に日蓮が始めた。法華経を教えの中心とする。法華宗ほっけしゅうとも。
  • にょにんきんせい(女人禁制)…寺院の修行場に女性が入ることを禁止したこと。
  • にょにんどう(女人堂)…女人禁制の聖地で山麓や登山口に設けられた建物。これより先に女性は進めないとされた。
  • にょらい(如来)…仏を敬った呼称。釈迦如来阿弥陀如来など。
にょにんこうや(女人高野)真言宗では高野山を女人禁制の場所としたため、女性の参拝を認める仏寺が高野山山麓にできていきました。このような仏寺を女人高野にょにんこうやといいます。現存する寺院は万年山慈尊院(和歌山県伊都郡九度山町)。ほかに、妙法山阿弥陀寺(和歌山県東牟婁郡那智勝浦町)、宀一山室生寺(奈良県宇陀市室生)、天野山金剛寺(大阪府河内長野市天野)など。なお、高野町には女人道というが参道あります。

ハ行の仏教用語

  • はんにゃ(般若)…恐ろしい顔をした鬼女や、その顔をかたどった面。もともとサンスクリット語。
  • はんにゃしんぎょう般若心経)…大乗仏教の「色即是空しきそくぜくう」の考えを278字の漢字で簡潔に表した経典。
  • ぶっきょう(仏教)…紀元前5世紀ころ、シャカ(釈迦)を開祖にインドでおこった宗教。キリスト教とイスラム教とともに世界三大宗教の一つ。
  • ぶっだ(仏陀)…悟りを開いてすべての人を教え導く聖者。とくにシャカ(釈迦)をいう。仏とも。
  • ふどうみょうおう不動明王)…不動尊とも。すべての悪を取り除く明王。怒りの形相をして、右手に剣、左手に縄を持って、背中に火炎を負う。
  • ほうえ(法会)…①信者に仏の道を説く集まり。②亡くなった人の供養をする集まり。
  • ほうじ(法事)…亡くなった人の冥福を祈る行事。類義語に法会、法要。詳しく 法事
  • ほうよう(法要)…亡くなった人を供養する行事や集まり。類義語に法会、法事、回向。詳しく 法要
  • ぼさつ(菩薩)…菩提薩埵ぼだいさったの略語。①仏につぐ位の者。仏になるために悟りを求め、哀れみの心で人々を導く修行者。こちらの使い方に「観音菩薩」など。②神につけた尊号。こちらの使い方に「八幡大菩薩」など。
  • ぼだい(菩提)…①悩みや欲望を越えた無上の悟り。②成仏すること。
  • ぼだいじ(菩提寺)…先祖代々の墓のある寺。類義語に檀那寺(だんなてら)。
  • ぼだいじゅ(菩提樹)…ハート形の葉をもつ高木。落葉樹と常緑樹があり、シャカ(釈迦)が木下で悟りを開いたのは常緑樹。これをとくにインド菩提樹ともいう。
  • ほとけ(仏)…仏教の創始者シャカ(釈迦)が悟りを開いて宇宙の真理を一身に体得した姿。ブッダ(仏陀)とも。①像に表れたシャカは菩薩(如来や観音など)ともいう。②亡くなった人。
  • ぼんてん梵天)…①インドの古代宗教で宇宙を創造した神。②仏教で仏法を守る神。

ぼだいさった(菩提薩埵)…略して菩薩。釈尊の前生期のこと。のち、自分達も仏になれる身であると大乗仏教の人々が信じたため、悟を求めて修行する者一般の意に。

マ行の仏教用語

  • みっきょう(密教)…大日如来を本仏とする秘密の教え。日本には真言宗(東密)と天台宗(台密)の二つがある。7世紀・8世紀にインドで起こり、中国を経て日本へ伝わった。

ヤ行の仏教用語

  • やくしにょらい薬師如来)…人々の病気を治す如来。左手に宝珠ほうじゅ薬壺やっこを持ち、右手の薬指を前に出している。略して薬師。真言は「おんころころせんだりまとうぎそわか」。
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うっとりする仏像
菩薩半跏像(半跏思惟像)

モデルは奈良県の国宝「木造菩薩半跏像」。
平安時代に密教が流行したとき、如意輪観音の右第一手が思惟相でした。

坐法も輪王坐で片膝を立てるのに似ているため、長らく如意輪観音と考えられてきました。

近年、儀軌以前の作品では、弥勒菩薩の可能性が高いと考えられています。日本では奈良時代以前の作品がこれに当たります。韓国でも弥勒菩薩だとみる説が有力です。

如意輪観音

モデルは大阪府の国宝「木造如意輪観音坐像」。
如意輪観音にょいりんかんのんとは観音菩薩のうち変化観音の一つで、六観音(七観音)にも数えられます。左手に如意宝珠という宝玉を、右手に輪を持っています。

  • 如意は宝珠で、法輪をもって衆生の願望を成就させる意味。
  • 延寿・安産・除難を祈って功徳あり。

三昧耶形は如意宝珠、紅蓮華。正式名称は如意輪観世音菩薩。

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