意味
阿閦如来は如来部に属す仏様の一つ。
アクショーブヤ(Aksobhya)阿閦・阿閣)の音写。訳語は不動、無動、無瞋恚など。
別名に不動如来。密号は不動金剛、怖畏金剛。
三昧耶形は五鈷杵。金剛界では2個の五鈷杵を逆丁字形に立てています。
キャリア
「阿閦仏国経」2巻に登場。不空訳の「念誦供養法」による修法あり。
古くから崇拝された仏様。
東方・阿比羅提(Abhirati、妙喜・善快・妙楽と訳)世界の教主を勤めます。
大日如来との出会い
むかし、東方の阿比羅提に大日如来が出現したとき発願・修行。
一切の瞋恚と淫欲とを断つことを成就して成仏し、現在もこの浄土で説法しています。
それ以来、東方阿比羅提は善快(妙喜国)ともいうようになりました。
金剛界五智如来として

独尊としてはほぼ造像されていません。
東方月輪に住み、大日如来の大円鏡智を表わします。
左手は衣をにぎり、右手は触地印を結びます。
この菩提心が堅固なことは金剛に等しいため不動如来とも。
後期密数では、大日如来に代わって五仏の中尊となることがありました。
形姿

阿閦如来。土佐秀信画『仏像図彙』三、1900年、1丁。
基本形
- 右手…右膝より下に伸ばして地に触れるようにした触地印
- 左手…金剛拳か衣の角を握る
この印相は、釈迦が菩提樹下で瞑想中に妨害しようとした魔軍を降伏させ、悟りを開いた降魔成道のもの。
真言宗報恩院の阿閦如来尊像は、左手が衣の角を握る姿。
阿閦仏国経
阿閦仏国経は、
- 阿閦如来の成道
- 管轄浄土である妙喜世界の荘厳
- その仏土に生まれるための発願
を説きます。
略して阿閦経、後漢の支婁迦識が147年に漢訳。異訳に「大宝積経不動如来会」(唐・菩提流志訳)。
阿弥陀如来とともに、現世出現の仏様として最も早くから説かれ、漢訳経典中で浄土思想を説く最古のもの6品。
コメント お気軽に♬