意味
多羅菩薩は仏教カーストのうち菩薩に属す仏尊。
- 異名:多羅仏母(蓮華部院)
- 三昧耶形:青蓮華
- 密号:悲生金剛・行願金剛
愛金剛菩薩と同体説あり。
キャリア
誕生
多羅は眼睛の意味。
- 日本での説…観音菩薩の眼から放つ大光明から誕生
- インド・ラマ教の説…救度(生を彼岸に渡す)
展開
中国・日本に密教が輸入されてから、多羅菩薩信仰が盛んに。
聖観音と対立するほど人気を呼びましたが、漢訳儀が宋代以後だったのため、日本では定着せず、造像例も限られています。
形姿
「胎蔵界曼荼羅」その他の図像集に登場。
日本の形像は一面二臂像に限られます。
- 中年女性の姿
- 身体は青白色(青色は降伏、白色は慈悲の色)
- 化仏のある低い冠を戴冠
- 合掌して蓮華座に着座
大日経には、合掌して青蓮華を所持とあり、「覚禅抄」には羯磨衣(作業服)の像で青蓮華を不所持。
図像鈔・別尊雑記には異形がたくさんです。
イラスト

多羅菩薩。国訳秘密儀軌編纂局編『新纂仏像図鑑』地之巻、仏教珍籍刊行会、1932年、162頁。

多羅菩薩。国訳秘密儀軌編纂局編『新纂仏像図鑑』地之巻、仏教珍籍刊行会、1932年、163頁。

多羅菩薩。国訳秘密儀軌編纂局編『新纂仏像図鑑』地之巻、仏教珍籍刊行会、1932年、163頁。

多羅菩薩。国訳秘密儀軌編纂局編『新纂仏像図鑑』地之巻、仏教珍籍刊行会、1932年、164頁。
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