概要
ヨガ(瑜伽)とはインドで始まった修行法です。坐禅瞑想の意味。
ヨーガ(yoga)からの音訳で、瑜加とも書きます。漢訳は相応。
古代インドの諸宗教・哲学はすべて、ヨガ(瑜伽)を説きました。
とくにインド六派哲学やバラモン教のヨガ派では、ヨガの修行によって解脱に到ることを説きました。
現在、学派としての勢力はほとんどなく、苦行派が引き継いでいたり、健康法に転じたりして、特異な風習が残っています。
内容
立場
肉体や感覚を鍛えて、坐禅・瞑想によって絶対的な境地に入ろうとします。
密教でのヨガは、心を統一して意を制御して本尊と融合一 体となり、三密の実践行を成就することをめざします。
日本では真言密教を瑜伽教(ヨガ教)・瑜伽宗ともいいます。真言宗は瑜伽を第一と考え、とくに金剛頂経系の経典儀軌で瑜伽の実践を説明するからです。
哲学では、サーンキヤ派の説に立脚。プルシャを最高神とする有神論の立場をとります。
根本経典
パタンジャリ作の「ヨーガ・スートラ」(瑜伽経/5世紀前半に成立)が根本聖典。
無神論的なサーンキヤ学説の影響をうけて、神も冥想の手段や対象に留まっています。
ヴィヤーサの完全な註釈(5世紀後半)や、ヴァーチャスパティ・ミシュラの復註(9世紀)が広く用いられてきました。
考え方
サーンキヤ派では、世界の苦の原因は、観るものであるプルシャ(神我)と観られるものであるプラクリティ(自性)の結合にあると考えます。
そして、この結合は無明に由来します。
この無明が明知によって解消されたとき、プルシャ(神我)が物質的束縛から解放されて独存となり、この独存は、解脱として完全な状態にあるとみなします。
この明知を得るための実践手段としてヨガを説き、有想三昧から無想三昧に入る無心の状態、つまりす解脱にいたるというわけです。
特徴
これをめざす修行法を組織大成した点にヨガ派の特徴があり、東洋神秘主義思想としての大きな意義があります。
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