概要
蘇悉地経(蘇悉地羯羅経)とは、玄昉・最澄・空海らが請来した経典で、原版は善無畏訳。
五部秘経や三部秘経(大日三部経)といわれ、密教で重視されています。たとえば真言宗では副次経典になっています。
空海は三学録の律部に出し、台密では、大日経・金剛頂経を総括する両部不二の秘経です。
内容
阿闍梨の特相、持誦法、供養法、灌頂法、三種護摩など、密教儀礼を詳しく説明。
「大日経」に近い内容で、蔵経でもタントラ中の総括経典に入れています。
注書
- 円仁著…略疏7巻
- 善無畏著…蘇悉地羯羅供養法3巻(円仁・円珍・円行・恵運が請来)、十八道法の本軌
蘇悉地経略琉
正確には蘇悉地羯羅経略疏、他の略語に蘇悉地経疏。
7巻構成で、円仁が選んで執筆(855年)。
五大疏の一つで蘇悉地経の大意と題目を解釈し、経文を解いています。
本経が両部不二の秘経で三部経王とし、金胎両部大経の上にあると判断して、台密での本経の地位を確立しました。
蘇悉地対受記
1巻構成で、安然が選びました。
蘇悉地大法修法の次第について、89種の印明をあげて諸説を集めています。
また、金・胎・蘇3部の大意を記して、受触印以下83印と、真言・臂釧法・腰線法とをそれぞれ、諸師の説を引用して解説しています。
ただし、著者の胎金両対受記に比べると論旨が不徹底。引用している人々も混雑していいて、真偽が怪しいです。
コメント お気軽に♬