意味
多宝塔とは「法華経」見宝塔品の説によって、釈迦如来・多宝如来の二仏が並座する塔の意味。
事例と形式
古い事例は長谷寺蔵の法華説相図の銅版。
一般には二重宝塔の形式。
初重は方三間で、層の軸部が円形になっています。
上下の連続部は饅頭形(亀腹が特色)。高野山の根本大塔(瑜祇塔)とほぼ同じ形式です。
遺構
遺構には、鎌倉時代のものでは、石山寺金剛三昧院(高野山)、慈眼院(大阪府泉佐野市)、浄土寺(広島県)、長保寺(和歌山県)が国宝。
室町建築の大伝法院(根来大塔)のは古式を伝えます。
また、墓石に用いられる多宝塔は、密教的解釈によって宝塔と同一ですが、重層のものもあります。
大阪市内の多宝塔
- 真言宗勝鬘院愛染堂(大阪市天王寺区)…おもな建物が金堂と多宝塔で、日本国重要文化財。愛染明王本地仏(大日如来)を安置しています。高さ22m、広さ120㎡。
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