ここでは、お香の種類や使い方、そして効果やメリットなどをわかりやすく説明しています。
意味
お香は五感の鼻や、六根の鼻根が嗅いで、六識の鼻識が識別する対象の一種です。
gandha(ガンダ)の訳語。
使い方
仏教では、線香・焼香・塗香にしたお香を、仏様や故人の供養に使います。
十種供養・五供養などの1つに数えられます。仏殿を香室・香殿というのは、このためです。
とくに、仏前に供えるお香とお花をまとめて香華(華香)といい、供養の代表的なものです。
出家教団では身体を飾る塗香は許されず、また、見習期間の僧(沙弥)の十戒のなかに、身体に香油を塗ることが禁じられています。
原材料
お香の原材料は、香気に富んだ木片や樹皮、とくに香木の伽羅・沈香・白檀などです。
種類
原材料による区別
- 香木:栴檀香・沈香・龍脳香・伽羅香・安息香
- 花:鬱金香(サフランの花)
使い方による区別
- 塗香用…香水・香油・香薬
- 焼香用…丸香 ・散香・抹香・練香・焼香
密教の修法による区別
密教では修法の種類により香を区別しています。それぞれ仏教の教理に喩えることもあります。
法の功徳による区別
戒香・ 聞香・施香など
効果
お香には2つの大きな効果があります。リラックス効果と消臭効果です。
さらに、仏教では「香の十徳」というメリットも知られています。
順にわかりやすく説明していきます。
リラックス効果
お香から得られる効果やメリットのなかで、広く知られているのはリラックス効果です。
お香は、アロマテラピーと同じように、心身の健康、リラクゼーション、ストレスの解消などによく使われます。
お線香にもいえることですが、匂いによって私たちは落ち着きや安心を得られるわけです。
消臭効果
お香には香水と同じ消臭効果もあります。
古来からインドでは体臭を消すために、熱地に多い香木から香料をとって、身体や衣服に塗ったり、室内で焚いたりする風習がありました。
火を使うことから、現代生活では香水の方が手っ取り早いです。
でも、お香のリラックス効果と消臭効果を合わせて、たまには使いたいものです(^^)
香の十徳
お香に備わる効果やメリットは、リラックスや消臭に留まりません。
他にもお香の効果がたくさん知られています。
お香の功徳を「香の十徳」として紹介した中国の詩文があります。
その詩文を日本で広めた僧侶が一休禅師でした。
- 感格鬼神…感覚が研ぎ澄まされる
- 清浄心身…身も心も清らかになる
- 能除汚穢…よく穢れを取り除く
- 能覚睡眠…よく眠りを覚ます
- 静中成友…静けさのなかに安らぎを得る
- 久蔵不朽…年月が経っても朽ちない
- 塵裏偸閑…忙時にも心を和ます
- 多而不厭…多くても邪魔にならない
- 寡而為足…少なくても十分に香りを放つ
- 常用無障…常用しても無害
これら香の十徳をもって、私たちの身体を清浄にして、心を寂静にしてくれる功徳がお香にあります。
デメリット
小さいワンルームマンションだと匂いが漏れる可能性あり。
もし廊下にお香やアロマテラピーの匂いが漏れていたら、匂いを嗅いだ人にとっては不快かもしれません。
お香を焚く時間や部屋の位置に気をつけましょう。
初心者向けおすすめ
使い方
お香立て
文化財
- 真言宗大日寺(大阪市城東区)には、紀州徳川家より寄進されたと伝わるお香入れがあります。
関連アイテム
香衣
香衣とは香染の衣。
香木の煎汁で染めた衣で、木蘭色で黄褐色が基本ですが、青色・黄色・赤色・萌葱色を香衣の四色ともいったので、一定の色彩に限りません。
紫衣につぐ勅許の衣で、法然上人源空が白河法皇に「往生要集」を講じ、円頓戒を授けたときに、上人号とともに賜った香衣が初例。
上人位は律師に相当しますが、室町時代以降、僧正以上の法衣とする規程がありました。
仁和寺だけは特例で綸旨によらず、その門徒たちに香衣を許す永宣旨がありました。
香華
香華とは六種供養の一つ。仏前に献ずる香と華をまとめた呼称です。
動詞的に、修法前に香華を準備することも意味します。
香盒
香盒とは薫香の容器のことで、漆製が多く、木製・金属製もあります。香合・香箱とも。
詳しくは「香盒」をご覧ください。
香象
香象(象炉)とは象形の香炉。
灌頂道場の入口に置いて、入場者を清浄にします。
普賢菩薩の乗物である象に香炉を乗せる理由は、受者を金剛薩埵と見做すからです。
経軌に本説は書かれていませんが、唐代からの風習とされてきました。
香湯
香湯とは、香水・香草を煮沸した湯のことで、沐浴に使います。
菖蒲・首宿香・沈香・栴檀・丁子・牛黄・雄黄など、32種類あると「金光明経」に記載。
現在では丁子湯を使います。
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