意味
愛染明王は愛欲染着や煩悩即菩提を表現する仏尊。
相当に形相が悪いですが、私たちの煩悩を活力に変えてくれます!
大阪市内で愛染明王を本尊とする寺院に真言宗勝鬘院愛染堂(大阪市天王寺区)があります。
愛染とは「rāga」(ラーガ/愛欲貪染)の意。
愛染王・染愛王ともいわれ、密号は離愛金剛。
- 愛欲染着を表現…彩色・赤色・愛情・情欲などを担当する
- 煩悩即菩提を表現…衆生のもつ愛欲貪染(煩悩)を活力に変え金剛薩埵菩薩の浄菩提心となる
愛染
そもそも愛染とは物事をむさぼり愛し、それに執われ染まる心。
「染」とはこの世のあらゆる執着する心を総称したもの。
みずからの考えや性情に愛着するから種々の悪が生じます。
形姿
忿怒暴悪形ですが、内証は敬愛をもって衆生を解脱させる意味です。
3目6で種々の兵器を捧げています。息災・得服の修法をします。
十二誓願
愛染明王の誓願は次の十二点です。
- 智慧の弓方便の矢を以って愛敬を与え幸運を授けよう
- 悪心を加持して善果を得せしめよう
- 三毒の煩悩を破って浄心を起こさしめよう
- 諸の邪見・驕慢の心を離れて正見に住せしめよう
- 諸人との闘争の縁を断って一生平和に送らせよう
- 諸の病苦と天災の難を去って天寿を全うさせよう
- 貧弱飢渇の苦を除いて無量の福徳を与えよう
- 悪鬼邪神の厄を払って安穏快楽ならしめよう
- 子孫繁栄と家運の増長を守って復縁を断たせない
- 前世の悪行の報を清めて後生は浄土に生まれさせよう
- 女人には愛を与えて良縁を結ばせ善児を授けよう
- 女人には臨産の苦を免れしめ所生子には福徳愛敬を授けよう
眷属
金剛薩埵十七尊
金剛薩埵三十七尊
愛染法
愛染明王を本尊として敬愛や調伏などに修する法。
愛欲貪染をそのまま浄菩提心とする三昧に入る、瑜祇経所説の深秘の修法です。
愛染曼荼羅
愛染曼荼羅とは愛染法を修する本尊。
文化財
天弓愛染明王
天に向かって弓を引いた姿。
3体の天弓愛染明王が重要文化財に指定されています。
- 神童寺(京都府木津川市)
- 金剛峯寺(和歌山県伊都郡)
- 放光寺(山梨県甲州市/毎月26日が縁日)
両頭愛染明王
両頭愛染明王は五尊像で、文化庁の分類では密教曼荼羅の別尊の部類に(金剛峯寺蔵)。
大阪市内の関連寺院
大阪市内で愛染明王を本尊とする仏教寺院に真言宗勝鬘院愛染堂(大阪市天王寺区)があります。
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