意味
盂蘭盆会とは祖先の霊を供養して餓鬼に施す行法のこと。
ウランバナ(ullambanaから)の音写で、烏藍婆拏とも。
倒懸と訳したり、盂蘭盆供、お盆、精霊会(棚経)、魂祭、霊祭、歓喜会(後述)とも使ったり。
盂蘭盆とは逆さ吊りのような苦しみの意味です。
盂蘭盆会では、死者が受けるこの苦しみを救うために、祭儀を設けて三宝に供養します。
もとは集団修行(安居)の終わった日に、衆生や僧侶に飲食を供する意味でした。
のちに転じて、有縁の霊を供養したり、祖先の霊を供養して餓鬼に施す行法(施餓鬼)と合わさったりしました。
展開
インド
目連が、餓鬼道に堕ちた母の苦しみを除こうとして行なったの起源(盂蘭盆経による)。
目連は古代インドの修行僧で釈迦の十大弟子の一人。
日本
平安時代まで
657年以来行なわれてきた古い行事。
奈良時代・平安時代には毎年7月15日に公事として行なわれていました。
諸寺では盂蘭盆講を行なって論議などをしました。
鎌倉時代
鎌倉時代から、施餓鬼会をあわせ行なうようになり、室町時代には燈籠や大文字などの送り火の行事が発生。民間では精霊祭を行ないました。
江戸時代
江戸時代には13日〜15日を盂蘭盆として、飾物などの売市や盆市がありました。
精霊棚を設けて祖先の霊を祭り、切子燈籠を飾って、僧侶を請じて棚経し、魔詣や盆踊なども盛んになりました。
密教
顕教立ての方式に密教を兼ねて、 釈迦法を修します。
現在
農閑期の都合から旧暦にる地方もあれば、8月の同日に行なう関西地方もあります。
地域ごとに特別の行事が全国的に行なわれます。
歓喜会
盂蘭盆のことで、語源エピソードは2つ。
- 目連の母が歓喜天に生まれた
- 盂蘭盆法要により苦悩の衆生が功徳をうけて歓喜した
盂蘭盆経
盂蘭盆経とは中国の偽経ですが、仏教が中国民衆の普及に役立った孝行経典の一つ。
西晋の法護が梵語から訳しました。
書かれているエピソードによると、餓鬼道に落ちた母を救おうとした目連さんが、仏様の助言で僧侶に供養する盂蘭盆会を開催します。
「盂蘭経疏」は、中国唐代の禅僧だった圭峰宗密が書いたもので、こちらでは、唯一の孝子報恩の経典として、さらに、中国の人倫と仏教との調和を強調しています。
大阪市内で盂蘭盆会を開催する寺院
大阪市内で盂蘭盆会を開催する寺院はたくさんあります。
有名な盂蘭盆会は次です。
とくに、四天王寺の盂蘭盆会万灯供養は大規模で、お盆の先祖供養のために、お盆期間の8月9日〜16日に行なわれます。
この期間は毎夕、先祖の名前を書いた約1万本のローソクに火が灯されます。
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