意味
五鈷杵とは金剛杵・五種杵のーつ。
五股杵とも書き、五峰金剛・五峰杵・五智光明峰杵・五股ともいいます。
平安密教で請来され、純密教の法具となりました。
鋒が直線の忿怒形を瑜祇五鈷杵というそうですが、遣品はありません。
恵運をのぞく入唐八家はこの杵を伝えています。
形状
基本形
独鈷杵の四方に脇銛をつけたもの。
鈷が両端に5鋒、合計で10鋒ある立体的な形状。
独鈷杵などと同じく鬼目式が通形で、たまに鬼面式のものもあります。
種類
さまざまな意義を説くため形状もいろいろ。
雲形五鈷杵
柄の中央を十六面の切子形につくり、中央鈷が八角で、脇に三段の雲形をつけたもの。
都五鈷杵
特殊な修法用として都五鈷杵という、五鈷を極端にすぼめたもの。
割五鈷杵
一端は三鈷、一端は二鈷のものを互い違いに組合せて五鈷杵に作ったもの。
瑜祇五鈷杵
瑜祇五鈷杵とは脇も中鈷と平行の方向に向いた五鈷杵。
三鈷杵の忿怒形に似ていますが、実物がなく、五智それぞれに五智を具する表徴としています。
経説もなく、瑜祇塔の屋上に立つ5本を瑜祗五峰といって同意としています。
形状は相輪の九輪を五輪にした姿で他に例がありません。
文化財
鬼目式のものは遺品が多いです。
鬼面五鈷杵は脇鈷の基部に獅噛をつけるのがふつう。厳島神社、鎌倉極楽寺、叡山唐院などのものが有名。
雲形五鈷杵は大師将来と伝わるものに多く、東寺や金剛峯寺などのものが優品。
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