意味
烏枢沙摩明王とは、一切の不浄(穢れ)や悪を焼尽する偉力ある仏尊です。
台密系では、五大明王の北方に配置して、金剛夜叉明王の代りに用います。
キャリア
両界曼荼羅には登場せず。
空海が将来してから、産褥の穢れ、枯木の精、毒蛇の害、悪鬼の祟り除外など、単独に信仰されたので、異形が多いです。
形姿
中国でたくさん製作されました。
別尊雑記などに唐本図像がたくさんあります。
現存の敦煌壁画
現存の敦煌壁画では、各臂両足に蛇が巻つき、髑髏を瓔珞し、頭髪は逆立って、火焔光を負っています。
像の上方左右に阿閦如来と阿弥陀如来を配置して、火頭金剛と書いてあります。
二臂像
身体は赤色。
忿怒形をしていて牙を出し、黄色の髪が逆立っています。
左に杵、右手に棒を所持。
左足は毘那夜迦を踏み、右足は踏む棒の一端が同じく毘那夜迦を押さえています。
四臂像
敦煌壁画に近いのが陀羅尼集経巻に登場。
ほかには、虎皮は共通で、手や持物の相違があります。
手には金剛杵・剣・羂索・棒・三鈷杵・髑髏人頭を所持したり、印を結んだり。
六臂像
円珍の将来で三目。
右手に宝棒・三鈷杵・索、左手に施願印を結んで輪念珠を所持。
蛇と髑髏で荘厳し蓮華座に右足を垂れています。
八臂像
別尊雑記に2図が描かれています。
身体は赤肉色で青色の天衣と赤袈裟をまとい、四辺から火焔が吹き、磐石上に立っています。
第一手は印を結んでいます。
左手に剣・三鈷鈴・索、右手に索・鞘・独鈷杵など、相違あり。
烏枢沙摩曼荼羅にも数種あり。
釈迦如来を中心に金剛手菩薩と烏枢沙摩明王が左右に侍しています。
ほかに、金剛部や観音部と八大明王などを描いたものも。これらは図像集に多いですが、絹本着色画は少ないです。
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