仏寺めぐりのうち浄土真宗寺院への訪問記録です。
大阪市内には浄土真宗を宗旨とする寺院が532寺あります。
浄土真宗は長い歴史のなかで門徒制度というネットワークで檀家制度を展開してきました。
多くの宗旨や宗派では、お寺が引っ越すと檀家がついてくるパターンが多く、新しく寺町を形成する面的ネットワークでした。
浄土真宗は全国展開した寺院が、引っ越してきた浄土真宗信者を新たに檀家として迎えてきました。いわば檀家が変わる点的ネットワークが門徒制度です。
この門徒制度を維持するためには、寺院が各地に点在し続けることが必要です。そのため、浄土真宗では江戸時代に妻帯が認められていました。お寺が一子相伝で継続します。
これに対し日蓮宗などの他宗派では、江戸時代に妻帯ができませんから、地域内の優秀な人を住職にするヘッドハンティングが定着していました。お寺が地域相伝で継続します。
どちらも活気のあるシステムで、地域社会を考える二つの対照的な事例です。