意味
柄香炉とは置香炉に把手(柄)をつけた香もの。柄の長さは20〜30cmほど。
柄炉・手炉ともいい、旧字体で柄香爐と書きます。
使い方
如来や菩薩を礼拝するときに手で持ちます。
密教の修法に用い、大壇の右脇机に置きます。意匠の勝れたものもあり、密教独得の法具ではありません。
持ち運びや運搬の便宜を図って柄が付いています。
香炉と同じで焼香に使います。
浄土真宗では、晨朝など登高座が無いときに、金属の柄香炉の代わりに脇机に持蓮華を置きます。
歴史
古い経文には香炉を手に持つと書いてあります。
西城の古図には火舎の下が長く伸びた形式が多く、とくにこれを火舎香炉といいます。
現物は中央アジアで1〜2世紀頃のものもあります。
横に長く柄のついた形状は正倉院にもあり、聖徳太子十六歳孝養像(鎌倉頃の発案)が持っています。
遡及すると中国でも使用が確認されます。
たとえば、敦煌の唐末画の引路菩薩図にも描かれています。
文化財
法隆寺や高野山龍光院に銅造の優作があります。
また木製もあって、意匠に蓮華・獅子などを巧妙に用いているものも。
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