意味
仏足石とは、ブッダの足裏の形を石の上に彫りつけたもの。
初期のインド仏教では、仏像を作ることを恐れて、菩提樹・法輪塔・宝座・高座などを使って仏様がいる標識と考えました。
仏足石もその名残です。
のちに、仏様を拝むのと同じく礼拝の対象になりました。
また、ブッダの足跡を偲ぶ使い方もあります。
西域・中国を経て日本へ伝わりました。
千輻輪宝、金剛杵、双魚紋などの模様があり、日本では薬師寺のものが最古です。
三十二相
仏様に備わる32のすぐれた外見的特徴を三十二相といいます。
この三十二相には、足に関連したものがあります。
- 足下安平立相(扁平足)
- 足下二輪相(仏足石の模様)
- 足応平相
- 足趺高満相
など。
仏足石が表しているのは足下二輪相で、足裏には輪形の相(千輻輪)が現われています。
文化財
仏足石(薬師寺)
国宝、753年。
幅約1mの六面体で、角礫岩の自然石に線刻し、前面に「釈迦牟尼仏跡図」と題し、周辺には功徳や由来を楷書で刻して、草花や雲の文様があります。
唐代初頭、王玄策がインドの華氏城へ行って摸写した図柄を、日本の黄書本実が唐の普光寺で転写。
その仏足石の図柄を平城京四条一坊の禅院に伝え、753年、文室結真人智努が石に刻みました。
仏足跡歌碑(薬師寺)
国宝。
高さ193.9cm×幅48.5cm×厚さ2.1cmの粘板岩の表面を磨いて、上下二段に21首の仏足跡歌を万葉仮名で刻んでいます。
その他
王玄策以外にも玄奘が請来した脚跡図が別にあります。
こちらは双魚王文・宝瓶文・螺王文・千輻輪文など、文様が異なります。
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