大阪市内の仏教寺院を自転車遍路。山門・境内・お花たちの長閑な風景を紹介しています。
最近の関心事は3つ。
お寺めぐりの写真整理や記事投稿でよく参照する資料が宗教年鑑(文化庁)です。
この年鑑には宗教関係のデータが多く用語も複雑なので、最初はしどろもどろでした。
最近になって使い方が分かってきたので、宗教年鑑(文化庁)の構成と用語から見方を説明いたします。
「宗教年鑑」の見方
日本には神社、寺院、教会、教派、宗派、教団などの宗教団体があります。
これら宗教団体は、それぞれの教義や伝統にもとづいて宗教活動を行なっています。
宗教団体の多くは法人格を取得して宗教法人となっています。
文化庁文化部宗務課では毎年『宗教年鑑』を公表しています。
この年鑑は各宗教法人に関する最新の資料・統計などを掲載しています。
『宗教年鑑』では日本の宗教の概要についても紹介しています。
宗教に関心をもつ方々に広く活用されています。
構成
「宗教年鑑」の構成は次のとおりです。
第1部:日本の宗教の概要
各宗教系統別。
神道系、仏教系、キリスト教系、諸教の4系に分けて、今日までの流れについて年代を追って紹介。
また、「宗教統計調査」のデータをもとに日本の宗教事情を数字の上から紹介。
第2部:宗教統計
宗教統計調査の結果。
刊行前年の12月31日現在の宗教団体に関する各種の統計を掲載。
たとえば2020年版なら2019年12月31日現在のデータ。
第3部:宗教団体一覧
文部科学大臣所轄の宗教法人の概要。
詳しくは、
- 文部科学大臣所轄包括宗教法人一覧
- 文部科学大臣所轄単位宗教法人一覧
- 都道府県知事所轄包括宗教法人一覧
- その他の包括宗教団体一覧
原則として刊行年の9月30日現在のものを掲載。
その後に変更届があったものについても可能なかぎり掲載。
たとえば2020年版なら2020年9月30日現在のデータ。
資料
公益財団法人日本宗教連盟、同協賛団体一覧、都道府県における宗教法人事務主管部局課一覧を掲載。
巻末
年鑑に掲載されている宗教団体の索引。
用語
宗教法人の所轄庁
シンプルにまとめると次のとおりです。
- 最小単位の宗教法人(都道府県を超えない)は都道府県知事が所轄
- 都道府県を越える施設の法人や複合的な宗教法人は文部科学大臣が所轄
「宗教年鑑」記載文に寄せたまとめ方では次のとおり。
- 宗教法人の所轄庁は当該法人の所在地の都道府県知事。
- 他の都道府県に境内建物を備える宗教法人、当該宗教法人を包括する宗教法人、他の都道府県にある宗教法人を包括する宗教法人の所轄庁は文部科学大臣。
宗教法人は施設単位で認可されることが多いため、ほとんどすべての宗教法人が都道府県知事の所轄です。
例年、全宗教法人で95%ほど、仏教のみで99%ほど。
団体や法人の定義
- 宗教団体:宗教法人と非法人の宗教団体の合計
- 包括宗教法人:神社、寺院、教会などを傘下にもつ法人(宗派、教派、教団など)
- 単位宗教法人:礼拝の施設を備える法人(神社、寺院、教会など)
- 被包括宗教法人:単位宗教法人のうち包括宗教法人の傘下にある法人
- 単立宗教法人:単位宗教法人のうち包括宗教法人の傘下にない法人
施設
- 神社、寺院、教会:それぞれ神社、寺院、教会の名称をもつもの
- 布教所:布教所、講義所、伝道所、宣教所の名称をもつもの
- その他:上記に該当しない修道院、別院、分苑、支部、会衆などの名称をもつもの
教師
各宗教団体が決める教師資格をもつ人の数。
宗教団体を超える共通の基準がないので、団体自体が教師と考える者の数を掲載。
信者
各宗教団体が、それぞれ氏子、檀徒、教徒、信者、会員、同志、崇敬者、修道者、道人、同人などと称するものの全て。
信者の定義、資格などは各宗教団体が決め、その数え方も団体によってさまざま。
つまり、教師資格と同じで、宗教団体を超えた共通する定義や資格はありません。